秘めたる力を発揮するときは、今季なのかもしれない。6年目の
清田育宏が、シ烈な外野手争いに堂々と名乗りを挙げている。オープン戦などの実戦で持ち前の打力をアピールしており、存在感は高まりつつある。
センスは抜群。三拍子そろった外野手で、これまでも期待を集めてきた。だが、なかなか一軍に定着できていないのが現状だ。特に打力が最大の魅力で、日本人離れしたパンチ力と意外性は首脳陣の誰もが認めている。一方で、調子の波が激しいという短所も。そこをクリアすれば、シーズンを通して一軍で活躍できるだけの力は備えている。
オープン戦では好調を維持している。2月21日の
中日戦(北谷)では“今季1号”となる左越え2ランを放つと、同28日の中日戦(ナゴヤドーム)でも左越え2ラン。さらに、3月2日の中日戦(小牧)では2安打をマークして猛アピールが続いている。「とにかく結果を出すしかない。すべてでアピールしないと」。今季に懸ける意気込みがプレーに表れている。
ロッテの外野陣は12球団随一の選手層を誇る。安打製造機の角中や、スピードキングの荻野、守備のスペシャリストの岡田、俊足巧打の伊志嶺やスイッチヒッターの加藤ら、他球団がうらやむほどタレントがそろう。だからこそ、定位置争いはシ烈そのもの。負けず嫌いを自負する男は現状に満足できるはずもない。
「ライバルは全員です。特に右打者には。左打者も。誰にも負けたくないんです」
入団以来、背負う背番号は「1」。常に「1番」を目指す清田が、野球人生の転機を迎えるか注目だ。