これまでとまったく違う。沖縄でのキャンプからオープン戦を通じて、キャプテン4年目になった
鳥谷敬のかもし出す雰囲気が明らかに変わっている。
何もプレースタイルが変わったわけではない。元来はポーカーフェースの鳥谷だったが、今年は表情を崩す場面が練習などで多く見られる。
メジャー行きに挑戦したが、約2カ月間悩んだ末に
阪神残留を決めた。海の向こうの夢から吹っ切れた心境は、そのまま普段の振る舞いにつながっている。「年上がやれば雰囲気も良くなるでしょ。見本になるぐらいのつもりでやります」
今までは周囲からさらなるリーダーシップを求められたが、なかなかそれを行動に移すことは難しかった。
しかし、鳥谷が「また阪神で優勝したい気持ちになった」と心に決めたからには、その言葉どおりプレーでチームをけん引していくつもりだ。
現在は、歴代3位となる1466試合連続試合を更新中で、2位の
金本知憲(1766試合)には、順当に行けば、3シーズンで追いつく計算になる。さらに6シーズンで1位の
衣笠祥雄(2215試合)も視野に入る。
またショートとしても、3年連続フルイニングで、通算432試合連続出場を続けている。
「ゲームに出続けるということには常にこだわっています。その中でどれだけ数字を残せるかだと思います」
最強ショートの鉄人・鳥谷は、自ら変身する姿を見せながら「まだ1度も日本一になっていないし、開幕から勢いをつけたい」と力強く言い切った。