桜が開花するように、
梅野隆太郎がオープニングに花を咲かせる。3月27日の
中日戦(京セラドーム)のスタメン捕手が濃厚。センターラインの要としてかかる期待は大きい。「信頼してもらえるキャッチャーになって、全試合にマスクをかぶれるように頑張りたいと思っています」
チームにとってプロ2年生の独り立ちは重要だ。ここ数年は矢野、城島、藤井、鶴岡ら補強組で占められた正妻の座だったが、生え抜きである梅野の育成は球団のテーマでもある。
3月15日の
DeNA戦(横浜)で、三浦から左越え本塁打を放った。キャンプ、オープン戦を通じて初の長打に、本人は「思い切って振っていく意識が結果につながった」と胸をなで下ろした。
ドラフト4位でプロ入りした1年前の
巨人との開幕戦で代打出場、そのまま守備に就いた。
阪神の新人捕手では1969年の
田淵幸一以来、45年ぶりのルーキー捕手の開幕戦出場だった。
7月からは主戦キャッチャーとして扱われた。2打席連続本塁打を放ってチームを救うなど評価はうなぎ登りだったが、クライマックスシリーズは出場なし、日本シリーズは1試合だけにとどまった。
92試合に出場した梅野に和田監督は「終盤はバテてしまった」と分析した。そこで梅野は、シーズン中に10キロも体重が減った反省に立って、オフには肉体改造に励んだ。その成果を2年目の開幕からアピールする。「打てる捕手」と言われるが、今年の実戦では盗塁を刺す場面も目立っている。梅野は「がむしゃらにプレーします」と開幕を心待ちにしている。