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西川遥輝内野手・成熟の5年目に覇権奪回へとけん引

 



 リードオフマンとして一気にステップアップを目指す5年目に挑んでいる。昨季初タイトルの盗塁王(43)を奪取し、今季は開幕から一番打者の重責を託された。栗山監督ら首脳陣が「ハルキのポジションは『一番』。あとは、どこを守るか」とキャンプ中から公言するほど、既定路線で大役に収まった。背番号は「8」と軽くなったが、重責を担う。

 昨季の躍進が、抜てきの決め手になった。レギュラーに定着して143試合に出場。スタメンで最多だったのが89試合で任された一番だった。一番で打率も.290を残し、32盗塁を積み上げた。シーズン終盤に安定したチーム力で3位へ食い込み、クライマックスシリーズへも進出。若手の台頭が原動力になったが、その1人が西川。ペナント奪回を狙う今季も、キーマンに指名された。

 重圧と戦いながら、向き合っている。「背番号は軽くなったけど、その分だけ責任は重くなった」。チームの顔の1人だった金子誠(現・特命コーチ)が昨季限りで現役を引退。由緒ある背番号を引き継いだ。さらに今季はメジャーに挑戦していた田中賢が復帰。経験豊富なかつての一番打者と競争し、勝ち抜いた晴れの座だ。胸の内に秘めるブレークへの思いは、日に日に強くなっている。

 開幕からやや打撃不振も、懸命にチームに貢献。4月14日現在で打率2割と停滞するが、13四球を選び出塁率は.429。本来の打撃を取り戻せば、爆発的な得点源となるだろう。「甘いボールを積極的に狙いたい」というスタイル。長打も期待でき、12球団でもトップクラスのスピードも備える核弾頭だ。本領発揮すれば、3年ぶりのリーグ制覇が見えてくる。
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