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鳥谷敬内野手・一番から三番へ、チームために

 



 チームを引っ張るのはこの男しかいない。キャプテン就任4年目のシーズンを迎えた鳥谷敬が安定感を見せつけている。フィールディングには定評があるが、バッティングでもさすがを思わせる内容だ。「打順によって自分のバッティングを変えるということはありませんから。塁に出ることとか、足でかき回すとか、その状況を見てプレーしていきたい」

 開幕から和田監督の構想により「一番」として打席に立った。しかも開幕から7戦連続でヒットを打ち続けた。しかし、なかなか上向かないチーム状態のために「三番」に変更された。それでも「やるべきことをやるだけ」と戸惑いをあらわにしない。

 クリーンアップに戻った4月12日の広島戦(甲子園)では、1点ビハインドの8回無死一塁の場面で、中崎から見事な逆転2ランを放って、チームの連敗を6でストップさせた。

 通算試合出場は「ミスタータイガース」と称された藤村富美男を超える歴代8位。球界を代表する顔として認められるようになっただけに、自身もチームのための自覚は強い。

 今シーズンはできるだけ若手と接する機会を持ってアドバイスを続けている。開幕前の決起集会でも「裏方さんのためにも優勝しましょう。みんなで優勝旅行に行きましょう」と挨拶してチームの士気を高めてきた。

 チームは開幕2シリーズ目から投打につながりを欠いてもたついているが、ここから地力を見せたいところ。メジャー移籍を断念した鳥谷は「自分もやり残したことが優勝。みんなで力を出し切っていきたい」とチャージを続ける。
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