週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

山田哲人内野手・進化する若きリードオフマン

 



 若き『斬り込み隊長』は今シーズン、多様な局面に対応する経験を積んでいる。昨季出場143試合のうち135試合で先発した不動のトップバッターとして開幕からスタートしたが、4月2日の阪神戦(神宮)から「三番」を任され、新打線の得点源として期待を受ける。「三番は単純に好き。中学、高校とずっと三番を打っていたこともあるし、カッコいいから」と山田。同日の試合では左中間へのグランドスラムを含む6打点と大活躍し、強烈な印象を残した。

 上位打線を担う山田が今季、目を見張る進歩を遂げているのが「足」だ。もともとチーム屈指の俊足で昨季も15盗塁をマークしているが、帰塁に苦手意識があったため思い切ったスタートが切れずにいた。

 真中新監督の下、スタートした昨秋の松山キャンプから、三木作戦コーチ兼内野守備走塁コーチの下で意識改革。走塁に対する基本的な考え方から、走法、走路、体重移動、投手のモーションへの反応など事細かな指導を受けた。帰塁の技術も徹底練習し、一塁に戻る技術を上げることで思い切ったリードをとれるようになった。16日現在の盗塁数は3で、「目標は30盗塁」。3割30本塁打と合わせたトリプルスリーを理想に掲げる。

 昨秋から代表メンバーに連なる侍ジャパンでは、坂本(巨人)、菊池(広島)らから大きな刺激を受けた。オフ中にはヤクルト時代に『斬り込み隊長』としてチームをけん引したあこがれの青木(ジャイアンツ)とも親交を深め高みを目指す思いをかきたてられた。昨季6本の先頭打者本塁打を放った思い切りのいい打撃と、進化した足で攻撃の突破口を開く。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング