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島袋洋奨投手・階段を上がる琉球トルネード

 



「琉球のトルネード」が、苦しみながらもプロの階段をはい上がろうとしている。3月24日に雁の巣球場で行われたソフトバンク三軍対福岡工大の交流戦。ドラフト5位ルーキーの島袋洋奨が、実戦デビューとなったマウンドで課題を露呈した。3番手で登板すると、いきなり2者連続でストレートの四球を与えた。その後も制球が定まらず予定の1回を持たず降板。プロ初の実戦登板は、大学生を相手に2/3回を被安打2、3四球で6失点(自責4)と散々な内容となった。

 苦過ぎるデビューとはなったが「緊張したけど実戦で投げられたことは良かった。少しずつ上がりたい」と、ジタバタすることなくステップアップを目指していく。沖縄・興南高3年時に甲子園春夏連覇を達成。4年後のプロ入りを目指し、鳴り物入りで中大に進んだ。1年春から開幕投手。4年秋のドラフトではフィーバー必至と思われたが、2年春の開幕3連勝後に左ヒジ痛で離脱し、展望は暗転した。左ヒジ痛からの復帰後も制球難に陥り、ドラフト1週間前の青学大戦での先発勝利が1年ぶりの白星。「どんな評価でもプロに挑戦したかった」と、支配下では最も下位となった5位指名でもプロの門をたたいた。

 大学で伸び悩み、苦しむことを覚悟でプロ入りした島袋に対して、同じ左腕の工藤監督は「僕自身は彼のやってきたことを尊重し、まずは見るというところから始めたい」と、春季キャンプでも精力的にB組(二軍)ブルペンに足を運び、その投球を熱心に見守り、時おり助言も送った。「ここを任せたい、と思ってもらえる投手になりたい」。プロでも必ず「トルネード旋風」を巻き起こす。
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