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高橋光成投手・確かな歩みを続ける未来のエース候補

 



「着実にレベルアップしてると感じられた」。5月3日、イースタン6試合目の登板(対ロッテ)で6回から3回を無失点と好投したドラ1右腕・高橋光成の投球を見て潮崎二軍監督は目を細めた。「一軍でしっかりと結果を残せる投手になるまで上げない」との球団方針の下、入団から4カ月弱、黄金高卒新人は焦らず、全力で日々の練習を積み重ねてきた。

 その成果が徐々に形となって表れつつある。その一番が球速だ。プロ公式戦初登板となった3月17日のイースタンDeNA戦(西武第二)で早くも自身最速となる154キロを記録した。悶絶しながらもこなしてきたキツイ体幹や、数試合投げた後しばらく先発ローテから外れ、その期間を徹底した体力作りに充てるという潮崎流育成法が身になった証明だろう。

 だが逆に新たな課題にも直面している。「スピードの弊害」と潮崎監督が指摘するように鋭さを増した腕の振り、大きくなった体といった球速アップをもたらす要素の急速な変化に対応できず制球力を欠いた試合が続いていた。それでも3日の西武プリンス初マウンドでは「久々に前の姿に戻った。光り輝くような感じだった」と二軍監督が絶賛する投球を見せている。

 4月23日の楽天戦(西武第二)では一軍経験豊富な上本と初バッテリー。一軍レベルのアドバイスを受け、昇格への意識をますます高めた。そして3356人が見つめた初の一軍本拠地マウンドを経験し、語った。「これからずっとお世話になる場所で良いスタートが切れました」。近い未来の自分の居場所が、西武第二ではないことは重々自覚。あくまで自然体。だが、未来のエース候補は一軍マウンドへ確かな歩みを続けている。
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