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阿部慎之助内野手・肩書きなどなくてもチームのリーダー

 



 元気で引っ張る、というよりも、プレー、そしてその存在感でチームのムードを上げていく。今季から主将を坂本に譲ったが、阿部慎之助が大きな役割を果たしていることは間違いない。

 昨秋から一塁に転向し、今春のキャンプも過ごし、そのままシーズンに入った。捕手に戻ることはないと思われていたが、予期せぬことが起こる。今季から新加入し、小林とともに扇の要を守るはずだった相川が4月2日の中日戦(ナゴヤドーム)で右太もも裏の肉離れを起こし、戦線離脱。長年、チームを支えてきた阿部が捕手に復帰することになった。3日の阪神戦(東京ドーム)で久しぶりにマスクをかぶると、ブランクを感じさせず、二盗を刺し、懸命なリードで投手陣を引っ張った。原監督は「チーム全体に落ち着きが出た」とそのプレーぶりを褒めた。

 その後も捕手として投手陣をもり立てていたが、4月17日に左太もも裏を肉離れし、戦列を離れた。約1カ月間、二軍でリハビリを続け、5月13日に一軍に復帰。離脱中は試合をテレビで見ることも多く「いろいろ感じるものもあった。投手陣に伝えていこうかなと思う」。迎えた19日の阪神戦(甲子園)だった。2回二死一塁で岩田の低めの変化球を右中間席に運ぶ。待望の今季1号が先制の2ランとなり「打ち方を忘れていたよね。抜けるとは思ったけど、入るとは思わなかった。甲子園で打てたことが大きい」と喜んだ。

 この一発が湿りがちだった打線を乗せていく。8点を取っての快勝へと結びつけた。「1本出るまでにだいぶ、時間がかかった。これから打って、チームに貢献できるようにしたい」と、打線を、チームを引っ張っていく考えだ。
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