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丸佳浩外野手・赤ヘル打線のキーマンとして

 



 この男の復調なくして、広島の浮上はない。丸佳浩は6月3日終了時点で打率.236、6本塁打、27打点と低迷している。昨季3割をマークした姿からは程遠い。53試合中47試合で三番・中堅として出場も、得点圏打率は.179と寂しい。開幕直後からタイミングの取り方を変えるなど復調へ向けて工夫を凝らしているものの、他球団のマークも厳しくなり、一筋縄にはいかない状況だ。

 チームが今季8度目の完封負けを喫した3日の日本ハム戦(マツダ広島)では、得点圏で3度打席に立つも4打数0安打3三振。タイミングを外され、体勢も崩れた。「普通にいこうと思ったんですが……。切り替えて、頑張ります」。5月下旬からそろった四番・新井、五番・シアーホルツ、六番・エルドレッドの3人が好調を維持している。三番に座る丸の歯がゆさは、痛いほど感じ取れる。

 今季の開幕前に丸をチームリーダーに指名した緒方孝市監督も、奮起に期待する。「マークも厳しくなり、特殊な配球もある。打席の中でどっちつかずの状況になっている部分がある。毎日毎日、打てるわけじゃないし、四球を選んだりしてくれてはいるんだけど、1球で仕留める姿勢を出していく必要がある」。押しも押されもしないレギュラーだ。指揮官は辛抱強く「三番・中堅」で起用し続ける。丸が波に乗れば、チームは一気に上昇する可能性を秘めている。

 丸はチームの休日にも必ず球場を訪れる。言葉を多く発することはないが、指揮官が「彼のルーティン。積極的休養だね」と代弁する。復調へ向けて流した汗は、必ず実を結ぶはずだ。責任は丸が一番感じている。ほんの少しのきっかけで、上昇するはずである。
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