リリーフエースは39歳の右腕だ。藤井と並ぶチーム最年長。今シーズンもまた、
福原忍がベンチの信頼に応えている。和田監督も「福原あってのスンファン(
呉昇桓)だから」とベテランに期待を寄せる。
常にシビアなゲーム展開での登場ばかりだ。それでもプロ17年目は4月に6試合連続無失点。また5月から6月にかけては8試合連続ゼロ封の好投を見せるなど健在ぶりをアピールしている。
6月21日の
ヤクルト戦(甲子園)では、2点リードの8回に登板し、無失点で呉昇桓につないで逃げ切った。これがチーム単独3位の通算551登板になった。当日は「父の日」で貫禄を見せつけた形だ。
前日20日に3位タイに並んだ相手は往年の名投手・
渡辺省三だった。50年代に主力だった“省さん”は球数をいかに少なくして打ち取るかというコントロール重視の投球でチームを支えた。福原はそのレジェンドを超えての好投だ。
昨季はリーグトップの42ホールドポイントを稼いで、初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手賞に輝いた。06年に自己最多12勝を挙げた福原だったが、11年から主に中継ぎとなって行き場を模索した。もともと本格派で球速ダウンした時期もあったが、トレーニングによって150キロ台を復活させる。特に高めのボールの威力は衰えない。自らの努力で生きる道を見つけたのだ。
今季も呉昇桓につなぐセットアッパーとしてフル回転している。ホールドポイント、防御率も好調。若手の見本にもなっている福原は「チームの勝ちに貢献するために投げる」と連日のスタンバイを宣言している。