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清田育宏外野手・主力離脱を補う活躍を

 



 チームは前半戦終盤に3年ぶりの7連敗を喫し、37勝42敗1分けの借金5で折り返した。失速の一因は打線の不調。一時は秋山(西武)、柳田(ソフトバンク)を抑えて打率トップにも立った清田育宏の復調が上位浮上には欠かせない。

 一番に定着した5月9日から23試合連続安打を放った。しかし、7月4日の西武戦(西武プリンス)から4試合連続で無安打に終わるなど調子を落とした。5月29日には.375まで上がった打率が、.320を割り込んだ日もあった。それでも「納得して終われている打席が多かった」と引きずらず、黙々とバットを振った。

 デスパイネがキューバ代表に参加するため、7月8日から約2週間、不在となった。主砲を欠く中、7月14日のオリックス戦(京セラドーム)でアクシデントがチームを襲う。四番の今江が左手首に死球を受けて尺骨骨折と橈とう骨こつ剥離骨折の重傷を負った。全治は6~8週間の見込みで、復帰は早くても9月。主力の離脱で戦力低下は避けられない。苦境に直面し、伊東監督が選んだのは「四番・清田」。デスパイネがチームを離れた際に

「本当は清田を四番に置きたかった」と話していた構想が、思わぬ形で実現した。翌日の同カードで3安打2打点と8連敗阻止に貢献。猛打賞は6月30日の楽天戦(QVCマリン)以来だった。

 初めて選ばれた球宴前の最後の試合で好結果を出したのは明るい材料だが、「ちょっと空くので、しっかり練習してチームのためにやっていけたら」と浮かれることはない。指揮官が「もう一段上に行ってもらわないと困る」と期待を寄せる背番号1が、後半戦で再びチームに勢いを与える。
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