故障者続出に苦しんだ前半戦。特に痛かったのは正捕手の
嶋基宏の離脱だろう。6月13日の
中日戦(コボスタ宮城)での守備で、ファウルチップが左ワキ腹を直撃。「左第7ろっ骨の骨折」と診断され、同17日に出場選手登録を抹消。復帰まで約1カ月、大黒柱抜きでの戦いを強いられた。
嶋の登録抹消中のチームは8連敗を喫するなど5勝11敗1分と後退。代役を務めた小関が奮闘したものの、あらためて、その存在の大きさが浮き彫りになった。
14日に戦列に復帰した嶋は「とにかく早く一軍に戻りたいと思っていた」。復帰戦となった同日の
西武戦(西武プリンス)はサヨナラ負けを喫したが、指揮官は「チームの雰囲気がガラリと変わった」と評した。
前半戦は投手陣の踏ん張りが目立った。チーム防御率3.28(14日終了時点)は
ソフトバンクに続きリーグ2位。打線が湿っている現状では、後半戦も投手力を前面に出した戦いが求められる。不動の正捕手の嶋が、この先マスクをかぶり続けられるかどうかが、夏場の反攻へのカギとなってくる。
嶋の復帰戦で先発を務めた則本は「捕手としてももちろん、試合に出なかったら出なかったで、的確なアドバイスをいただける」とし「嶋さんがいなかった間は痛かったのは事実」と振り返った。チームの誰もが認める精神的支柱。指揮官も「いてくれるだけでありがたいに決まっている」と話した。
指揮官が開幕前から描いていた「オールスターまでに5割」という青写真は実現できなかった。だが、この先、藤田も
銀次も戻ってくる。反攻の余地はまだまだある。キャプテンでもある嶋がその中心的役割を果たすのは間違いない。