待ちに待ったフルスイング若虎の登場だ。後半戦に開花したのはドラフト3位の
江越大賀。しっかりとバットを振る天性に期待が膨らんでいる。
「毎日がアピールだと思っています。もっともっと成長したいです。そのために練習からアピールしていきます」
即戦力外野手としてプロ入りして開幕一軍をつかんだが、すぐに一軍のカベにぶつかった。速球と変化球の見極めに苦慮し、外野守備でも未熟さが目立った。
これまで3度もファーム行きを通告された。しかし、江越は二軍慣れすることなく、連日一軍戦をテレビでチェックし、自分が打席に立ったつもりで配球の研究に努めた。
一、二軍を行ったり来たりだった新人は、再昇格2戦目の7月22日の
巨人戦(甲子園)で、約3カ月ぶりの2号本塁打を放つと、24日の
DeNA戦(甲子園)では2戦連発の決勝3号2ランを左翼スタンドに運んだ。
阪神のルーキーで2試合連続本塁打は、80年
岡田彰布以来、35年ぶり。
大和、
俊介ら同じ外野手のライバルにはない長打力が備わっているだけに競争から抜け出す可能性は十分だ。
26日のDeNA戦(甲子園)ではプロ初の猛打賞。28日の
中日戦(ナゴヤドーム)でも殊勲の一打を放った。江越が下位打線の目玉になれば懸案の得点力アップにもつながっていくだろう。
平田ヘッドコーチは「今は怖いものがないから、まだまだ苦労していない」と手綱を緩めない。江越も「まだまだと思いますが、変化球もしっかり前で打てば飛んでいく。積極的にいきます」と一気に定位置をモノにする。