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高橋光成投手・期待感が大きい13年夏の甲子園優勝投手

 



 球団の育成方針で高卒1年目の今季は『ファームでじっくり体力作り』がメーンテーマとされてきた高橋光成。幸い、チームも開幕から好調が続いたため、2013年夏の甲子園優勝投手は急ピッチで一軍戦力に加える必要に駆られずに済んでいた。おかげで自身も目指す先には当然「今年中に一軍」を念頭に置きながらも、焦ることなく地道にステップアップしてきた。

 だが、状況が一変。球宴を境にチームは大失速し、連敗を重ねた。そして、1979年以来となる11連敗を喫して迎えた8月2日のソフトバンク戦(西武プリンス)、球団ワースト記録タイとなる12連敗を阻止すべく、急きょ一軍デビューの場が巡ってきた。

 7月28日にイースタン・ヤクルト戦(西武第二)で先発、中4日で、状態も「正直、あまり良くない」と二軍首脳陣、本人が話すなど万全ではなかった。それでも、3万人を超える観客の中で臆することのないマウンド度胸は、「さすが甲子園優勝投手」の一言。結果的には4回途中5安打4失点で敗戦投手となったが、テレビ観戦した森二軍投手コーチは「四死球は初登板の緊張だろうから、今後減ると思う。一つひとつの球は力もあって、しっかりと投げられていたし、今後一軍の打者のレベルに慣れて、調子さえ良ければ勝てる力は十分ある」と初マウンドに及第点を与えた。

「将来日本のエースまでいける逸材。質、スピード、変化球の精度、すべてを兼ね備えていて、まだまだ伸びる」。ここまで近くで見続けてきた潮崎二軍監督は、そのポテンシャルの高さ、今後の伸びしろの大きさを絶賛してやまない。高校2年時に頂点を知った男である。かかる期待、舞台が大きければ大きいほど力を発揮するに違いない。
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