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中田翔内野手・もがき苦しみながら最後の抗戦へ

 



 苦闘しながらシーズン終盤へ突入した。不動の四番を務める中田翔が自問自答をしながら、勝負の夏場を迎えた。昨季は自身初タイトルとなる打点王を奪取。今季は開幕からハイペースで、5月終了時点で18本塁打を量産した。本塁打王も視野に入れていたが、失速。6、7月は月間3本塁打ずつ。8月12日現在で8月は10戦でノーアーチ、24本塁打にとどまる。

 言い訳せず、スランプ打破へと模索が続く。「オレの打撃が腐っているだけや」。周りを固める中軸の三番、五番打者が固定されていない今季の打線。相手からのマークも厳しく、苦しんでいる。例年は好調の波をつかめば、手がつけられないような爆発をするが、今季はいまだにない。打率も. 257と低空飛行が続き、打点も77と物足りない(8月13日時点)。

 勤続疲労も追い打ちをかけている。慢性的な肉体のコンディション不良を抱え、全力疾走もままならない状況だ。8月4日からのソフトバンク3連戦(ヤフオクドーム)では計12打数無安打。首位のライバルにマジック点灯を許すという屈辱を味わった。ムチを入れながらの出場は続くが、結果がすべての世界。「情けない。オレに関しては試合に出る資格ない」と激しく自分を責める日もあった。

 見守る栗山監督は、復調の時を待ち続ける。「このチームは(中田)翔が打てば、勝つ。主役が打たないと勝たないんだ」との信念を公言している。26歳ながら主砲としての経験値は十分あるだけに、一気に調子を取り戻してほしいと願う。ソフトバンクを大差で追うが、最後の抵抗をするには中田の力が不可欠。「まだ優勝が決まったわけじゃないから。あきらめずにやる」と反攻の旗手になる。
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