週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

秋山翔吾外野手・記録への挑戦

 



 昨秋の右ヒジ手術を機に取り組んだ大幅な打撃改造が奏功し、オープン戦では打率.459で首位打者に輝いた。快調ぶりはリーグ戦開幕後も続いており、残り15試合に至った今なお継続中である。圧巻なのは、調子の波がほとんどないことだ。当然、疲労や体調などによって本人の中では好不調時はあったに違いない。だが、数字だけを見ると、2試合連続無安打はわずか2度しかない。

 4月16日に打率.379で初めて打率首位に立った。以後、常に打率トップ争いの主役を務め続けている。にもかかわらず、報道陣から秋山翔吾へ向けられる質問に、「首位打者争いについて」の内容は、ここまでほとんど聞かれていない。というのも、史上3番目に早い63試合目での100安打到達、史上3人目の3カ月連続月間40安打、そして、6月3日から7月14日まで続いた歴代3位の31試合連続安打記録など、続々に『プロ野球歴代記録』という偉業への挑戦と対峙してきたからである。そして、196安打を放っている9月11日現在も、『200安打達成』と同時に『214本の年間最多安打記録更新』を目前に控え、一段と注目と期待が高まっている。

 こうした安打数記録へ挑んでいくことが、おのずと首位打者のタイトルへとつながっていくことは言うまでもない。ただ、最大のライバルであるソフトバンク・柳田も30本塁打、30盗塁、打率3割の“トリプル3”達成へ向けて好調を増しており、タイトルの行方は最後まで決まりそうもない。プロ入りして5年間、ただただヒットを打ちたくてバットを振り続けてきた。球史に名を残すチャンスと、打率3割6分台というハイレベルな数字での、好打者との首位打者争い。こんな千載一遇の好機、ここまできたらつかみ取るしかない。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング