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涌井秀章投手・エースの座に君臨

 



 エースとして、シーズン終盤までAクラス争いを続けるチームを引っ張っている。涌井秀章は9月24日時点でリーグ3位の164回2/3を投げており、クライマックスシリーズ進出ラインの3位確保に欠かせない大黒柱だ。

 開幕投手を務めた今季は相手もエース級がマウンドに立つことが多く、勝ち星を稼げない時期もあった。前半戦を終え6勝7敗と負けが先行したが、球宴出場を経て成績を伸ばした。後半戦最初の登板となった7月24日の楽天戦(コボスタ宮城)で「久しぶりにちゃんと仕事ができた」と約1カ月ぶりの勝利で通算10 0勝を達成すると、そこから4連勝。西武時代の恩師、伊東監督が指揮を執るロッテを押し上げる原動力となり「恩返ししないと、来た意味がない」と気合十分で腕を振ってきた。

 激しく競り合う西武と敵地・西武プリンスでの直接対決だった9月13日。この時点で、3位の西武とは3ゲーム差。落とせば逆転でのCS進出は厳しくなる一戦の先発を託された。「負けたら終わりぐらいのつもりで調整してきた」。その言葉どおり、立ち上がりから飛ばした。3点リードの7回に2点を失うが、この回を投げ切って継投をラクにした上で救援陣にバトンを渡す。この時点でチームトップの12勝目を手にし、「今はチームが勝てばいい」と上位進出に全精力を傾ける覚悟を示した。

 12勝のうち4勝を、独走状態でリーグ2連覇を果たしたソフトバンクから挙げていることも価値が大きい。伊東監督も「強いチーム相手には闘争心が出てくる。他球団よりその気持ちが強いんじゃないか」と、背番号16の存在を頼もしく感じている。
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