文=平野重治
出版界の不況が言われて久しいが、ちょっと驚いたことがあった。教科書を出版している会社の教員への謝礼問題で、三省堂、数研出版に続いて業界最大手の東京書籍も中学校の英語の教員に現金を渡していたことが分かった。驚いたというのは、同社の教科書の発行冊数。昨年は何と3000万冊!100万部出たら超ベストセラーの時代。同社は超ベストセラーを毎年30冊も出している勘定になる(教科書だから返品はないだろう)。
講談社や小学館といった大手出版社でも、雑誌の発行部数を除いたら、書籍のみで3000万部を完売なんて数字はあり得ないのではないか?どこが出版不況だ、と思いたくなる。出版界の“裏側”には、こういう部分(にしては大きい!)もあったのである。
「週ベ」の今週号は、皆さまお待ちかねのプロ野球選手写真名鑑号。もちろん通常号より、かなり発行部数を増やし、読者のご要望にお応えしています。本号を手に取っていただいた読者にはこの場を借りて御礼申し上げます。どこやらの3000万冊には絶対負けない、“野球愛”の結晶だと自負しております(いささか強引な論の運びですが)。
ところで、「週ベ」の名鑑号のスタートは1959年3月11日増大号。現在同様、雑誌の中央に挟み込む形でのモノクログラビアで、各球団2ページ。平均50人弱を掲載。データはポジション。投打。身長。体重。年齢と年数。出身校の6項目のみ。トビラのページは
稲尾和久(西鉄)、トメのページは
長嶋茂雄(
巨人)のいずれもプレー写真。面白いのは、尺貫法とメートル法の換算表がトビラに付いていること。まあ、時代を表しておりますナ。名鑑の身長体重はメートル法表示だ。
ちなみにこの号の表紙はカラー人工着色で
吉田義男(
阪神)。巻頭のグラビアは
豊田泰光(西鉄)。特別定価40円。写真は巨人のページの長嶋(上左)とその前後の選手。読者はどれだけ覚えていますか?