1988年の東芝、12年のJX-ENEOSに続く偉業をサヨナラで決着
勝負の機微は9回の攻防にあった。
8回表に押し出し四球で2対1と勝ち越したホンダは、勢いそのままに9回表も攻め立てた。二番・小手川喜常(立正大)の中前安打。犠打で得点圏に走者を進めると、四番・多幡雄一(立大)が左前安打。一死一、三塁として追加点のチャンスを迎えた。そこでの「1点」は、両ベンチにとって重い。30年ぶりの優勝を目指すホンダにしてみれば、さらに優位な状況を作るために点差を広げておきたい場面だ。のちに長谷川寿監督(青学大)はこう語った。
「五番の川戸(洋平、日大)を迎えていろいろな作戦はあったと思いますが、チームの中軸を打っていますし、(8回表に)逆転した勢いも考えると、外野フライぐらいは打ってくれると期待していたんですが……」
結果は三振。六番・三浦
大和(東京国際大)も、日本生命の右腕・藤井貴之(同大)の前に三振に倒れて追加点を奪えなかった。
「もう1点入っていれば、こちらはあきらめムードになっていただろうし、相手はさらに勢いづいていたと思います。マウンドの藤井には『何とか粘れ』と声をかけました」
そう語るのは日本生命の十河章浩監督(近大)だ。「1点」を与えなかった日本生命が、反撃に転じたのはその直後だった・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン