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第46回明治神宮野球大会

 

「勝つ資格のあるチーム」への変貌を遂げるための厳しい冬が到来


 北陸勢として初めて、今春のセンバツを制した敦賀気比高(福井)。今秋も北信越大会を制し、2年連続出場となった明治神宮大会でも、初戦で好投手・高田萌生(2年)を擁する創志学園高(岡山)を5対1、準決勝で青森山田高を8対5で退け、16年ぶりに決勝へ進んでいた。

高松商との神宮大会準決勝は3点リードの8回に逆転(5失点)を許すと、9回も3失点。エース・山崎(背番号1)も快勝ムードから一転して勝負の厳しさを味わった[写真=松田杏子]



 主将の林中勇輝(2年)は「個人の能力では昨年に劣りますが、チーム一丸となって、気持ちでここまで来られました」と胸を張った。だが、その一方で東哲平監督には大きな懸念があった。

「このチームには『こんなことをしてきたから勝てたんだ』と言える明確なものが、まだない」

 高松商高(香川)との決勝は7回まで3点をリードしていたが8回に5点、9回に3点を奪われ、3対8で逆転負け。失点には悪送球や暴投のほか、3本の送りバントをヒットにしてしまうミスが絡んだ。東監督は「窮地に陥った場面でバタバタとミスが続いた。ミスをするのは仕方がない。だから、ミスをしても勝てるチームを目指しているのですが、カバーできなかった」と唇をかんだ。

 ミスをしても勝つためには、投手の粘り強さが必須だ。その意味でエースの山崎颯一郎(2年)に対する、東監督の要求は高い。「ピンチに強いのがエースですが、山崎は弱い。まだまだ力がないということでしょう。バント処理ができなかったことから見ても、ただ投げるだけの投手になっている。これでは勝てません」。山崎は188センチの長身から投げ下ろす角度の付いた速球と岸孝之(西武)を思わせる大きく縦に割れるカーブが武器。今夏の甲子園では花巻東との2回戦に2番手として登板。自己最速144キロをマークした真っすぐで押す投球を見せ、4奪三振で2回を完ぺきに抑えた。

「持っているものは素晴らしい。でも、良いピッチングをするときのスイッチが本人も含めて誰にも分からないんですよ。ただ、新チームで・・・

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