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内野ファウルフライが落下し フェアゾーンに転がってきたら

 

高く上がった一塁ファウルフライが風に流され、一塁ベース手前のファウルゾーンに落ちた後、内野内に転がって止まりました。初めにファウル地域に落ちたのでファウルになるのでしょうか、それとも内野内に入ったのでフェアになるのでしょうか。

 フェアボールです。4月7日の楽天ロッテ戦(Kスタ宮城)で実際にあったプレーで、NHKのテレビ中継で放映されていたので、ご覧になった方も多いと思います。初めにファウル地域に落ちたのでファウルと思われた方も多いと思いますが、フェアボールなのです。

 3回表二死三塁でロッテの角中勝也が高々と打ち上げた打球が強風で押し戻され、一塁ベース手前のファウルゾーンに落ちた後、インフィールドに転がって止まりました。これを見た三塁走者は本塁を踏んだので、ロッテが先取点を挙げた形になりましたが、雨が激しくなり3回表が終わったところでノーゲームとなったので、角中の先制打は取り消しとなりました。

 フェアボールについては規則2.25に「打者が正規に打ったボールで、次に該当するものをいう」として、(a)に「本塁一塁間、または本塁三塁間のフェア地域に止まったもの」とあります。フェアボールを図解で説明したものが公認野球規則書にありますが、その第1図がこれに該当します。そこには「一度ファウル地域に出ても、再び内野に止まったときは、フェアボールである」と説明されています。

 一塁または三塁ベースを過ぎてから、ファウル地域からフェア地域に転がり込んだ打球は、あくまでもファウルですが、ベースを過ぎる前に内野地域に反転したのはフェアとなるのです。

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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