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スプレー缶につまずいた捕手がファウルフライを落球。判定は?

 

捕手はファウルフライを追いましたが、捕球の寸前に足元に転がっていたスプレー缶につまずいて転倒し、捕球できませんでした。この場合の処置はどうなりますか。

 捕球できたと審判員が判断すれば、打者にアウトが宣告されます。5月10日のヤクルト阪神戦(松山)でこれが起こりかけました。

 3回裏のヤクルトの攻撃で、二死三塁でバレンティンが捕手の後方にファウルフライを打ったときです。阪神の藤井彰人捕手が捕球しようとしたそのとき、置いてあった打者使用のスプレー缶を踏みつけましたが、なんとか捕球しました。このとき体勢が崩れ、捕球できなかったとしても打者にアウトが宣告されます。

 この場合、適用される規則は7.11です。そこには「(前略)走者を除く攻撃側チームのメンバーが、打球を処理しようとしている野手の守備を妨害した場合は、ボールデッドとなって、打者はアウトとなり、すべての走者は投球当時に占有していた塁に戻る」とあります。

 同[注1]には「捕手は取り残されたバットにつまずいたために、容易に捕らえることができたはずのファウル飛球を捕らえることができなかったような場合、プレーヤーの取り残したバットが、明らかに捕手の捕球を妨げたと審判員が判断すれば、打者はアウトになる」とあります。スプレー缶も取り残されたバットと同じに扱われます。〈質問への回答〉5月13日号(第4回)で、遠くはずされたウエストボールに飛びついてバットにボールを当てた場合、その瞬間、両足が空中にあっても「着地したときに打席のライン上にあれば、打席の外に置いて打ったことにはなりません」とあるのは蛇足でした。カッコ内は取り消します。東京・大田区の和田勲さんからのご指摘によるもので、余計な誤解を与え申し訳ありません。

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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