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三振した打者が、二盗を試みた走者を刺そうとした捕手の送球を妨げた場合の措置は?

 

一死走者一塁で、打者は空振りの三振に倒れましたが、勢い余ってホームベース上に体が傾き、捕手が二塁へ送球したボールがバットに当たり、バックネットの方に転がりました。このとき一塁走者は二盗を試みていましたが、どう判定すべきでしょうか。

 走者も守備妨害でアウトであり、併殺となります。ここで適用される規則は7.09(e)です。

「アウトになったばかりの打者または走者、あるいは得点したばかりの走者が、味方の走者に対する野手の次の行動を阻止するか、あるいは妨げた場合は、その走者は味方のプレーヤーが相手の守備を妨害(インターフェア)したものとして、アウトを宣告される」

 これに該当するプレーが14年7月23日のオリックス日本ハム戦(京セラドーム)で起こりました。9回表の日本ハムの攻撃です。

 一死一塁で西川遥輝は外角低めの投球を空振りし三振に倒れましたが、勢い余ってホームベース上に体が傾き、捕手が二塁へ送球したボールがバットに当たりました。このとき一塁走者の谷口雄也は二盗を試みていましたが、西川の守備妨害によって谷口もアウトとなり、ダブルプレーでゲームセットとなりました。これで日本ハムの自力優勝の可能性が消滅したという因縁の試合でもありました。

 この規則の[原注]には、

「打者または走者が、アウトになった後走り続けてもその行為だけでは、野手を惑乱したり、じゃましたりまたはさえぎったものとはみなさない」

 とありますから、注意しましょう。

 同規則の[注]として、

「本項を適用するにあたって、2人または3人の走者がいた場合、妨げられた守備動作が直接1人の走者に対して行われようとしたことが判明しているときは、その走者をアウトにし、どの走者に対して守備が行われようとしていたかが判定しにくいときは、本塁に最も近い走者をアウトにする」

 とあります。
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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