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落ちてしまったヘルメットに打球が当たった場合はボールインプレー?

 

二塁へ走っている走者の頭から、かぶっているヘルメットが落ちてしまいました。ちょうどそこに打球が飛んできてヘルメットに当たり、大きくバウンドしました。そのボールを二塁手がつかみ、二塁ベースのカバーに入っている遊撃手にトスし、二封に成功しましたが、このアウトは認められますか。

 落ちているヘルメットに当たった打球を拾って送球してもアウトは成立します。打者アウトの規則6.05(h)の[原注]にこうあります。

「(前略)打撃用ヘルメットに、偶然、打球がフェア地域で当たるか、または送球が当たったときは、ボールインプレイの状態が続く。打球が、ファウル地域で打撃用ヘルメット、地面以外の異物に触れたときは、ファウルボールとなり、ボールデッドとなる」

 同規則はさらに続けて、

「走者がヘルメットを落としたり、ボールに投げつけて打球または送球を妨害しようとする意図があったと審判員が判断したときには、その走者はアウトとなり、ボールデッドとなって、他の走者は、打球に対してのときは投手の投球当時占有していた塁、送球に対してのときは妨害発生の瞬間に占有していた塁に帰らなければならない」

とあります。

 1992年にパイレーツ対カブス戦でこんなプレーがありました。パイレーツの一塁走者カーク・ギブソンがヒットエンドランで二塁へ走っているときに、かぶっていたヘルメットが落ちました。そこに打球が飛んできてヘルメットに当たり、ボールは二塁ベースカバーに走ってきたライン・サンドバーグ二塁手の前に転がりました。サンドバーグはこれを拾い、三塁へ向かって走っているギブソンをアウトにしようと送球し、ギブソンはアウトになりました。

 ボールがヘルメットに当たった時点でボールデッドではないかという意見もありましたが、規則にある通りにすべてボールインプレーで、ギブソンのアウトは成立しました。
よく分かる!ルール教室

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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