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次打者席のバットにつまずいてファウルフライを落球した場合の処置は?

 

捕手はファウルフライを追いましたが、次打者席に取り残されたバットにつまずいて捕球できません。この場合、打者にアウトを宣告できますか。

 この場合は打者アウトを宣告できます。規則7.11にこうあります。

「攻撃側チームのプレーヤー、ベースコーチまたはその他のメンバーは、打球あるいは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように、必要に応じて自己の占めている場所(ダッグアウト内またはブルペンを含む)を譲らなければならない。走者を除く攻撃側のメンバーが、打球を処理しようとしている野手の守備を妨害した場合は、ボールデッドとなって、打者はアウトとなり、すべての走者は投球当時に占有していた塁に戻る」

 98年9月22日の広島-巨人戦(広島市民)でこのルールが適用されました。7回裏の広島の攻撃のときです。浅井樹が打ったファウルフライを巨人の柳沢裕一捕手が追いましたが、次打者席にはバットやスプレーが置いてあったため、それにつまずき落球しました。浅井は直ちにアウトを宣告されましたが、つまずいて捕球できなかったら打者は即アウトというわけではありません。あくまでも捕球できる範囲内であるのが条件になります。

 規則7.11の[注]にもこう書いてあります。

「たとえば、プレーヤーが2本のバットを持って次打者席に入っていたとき、打者がファウル飛球を打ち、これを捕手が追ってきたので、そのプレーヤーは1本のバットを持って場所を譲ったが、捕手は取り残されたバットにつまずいたために、容易に捕らえることができたはずのファウル飛球を捕らえることができなかったような場合、プレーヤーの取り残したバットが、明らかに捕手の捕球を妨げたと審判員が判断すれば打者はアウトになる」

 捕球を妨げる原因になったと審判員が判断した場合に限るのです。
よく分かる!ルール教室

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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