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ブルペンで投球練習の相手をしていた捕手がフェアの打球を拾い上げてしまった場合の処置は?

 

右翼フェンスに当たってはね返った打球を、一塁側ブルペンで投球練習の相手をしていた捕手がファウルと勘違いしてつかんでしまいました。すぐ気づいてその場にボールを落としましたが、この場合はどう処置すべきでしょうか。

 審判がその打球がシングルと判断すれば打者に一塁を許し、二塁打になると判断すれば打者の二塁進塁を認めます。野球規則3.15の後段にこうあります。

「競技場内に入ることを公認された人(試合に参加している攻撃側メンバーまたはベースコーチ、そのいずれかが打球または送球を守備しようとしている野手を妨害した場合、あるいは審判員を除く)が競技を妨害したとき、その妨害が故意でないときはボールインプレイである。しかし故意の妨害のときには、妨害と同時にボールデッドとなり、審判員は、もし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる」

 故意かどうかの判断については、同規則[原注]でこう説明しています。

「たとえば、バットボーイ、ボールボーイ、警察官などが、打球または送球に触れないように避けようとしたが避けきれずに触れた場合は、故意の妨害とはみなされない。しかしボールをけったり、拾い上げたり、押し戻した場合には、本人の意思とは関係なく故意の妨害とみなされる」

 ブルペン捕手も競技場に入るのを公認された人であり、打球を拾ってしまったときは、当然、故意の妨害の扱いになります。85年8月20日の巨人-中日戦(後楽園)の4回裏、巨人の攻撃のときに、こんなプレーがありました。

 無死一塁で、打席に入ったカムストック投手がバントの構えからバットを引くと、中尾孝義捕手が後ろに逸らしました。ところが、これをファウルと勘違いした三塁ベンチ横のバットボーイが拾い上げてしまいました。当然、故意の妨害であり、一塁走者の山倉和博は二塁進塁が認められました。
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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