二塁走者は打者の中前打で本塁を狙いましたが、三塁コーチは制止しています。しかし、走者はそれを振り切って本塁まで進もうとしたので、三塁コーチは両手を広げ止めましたが、その際に走者の体に触れています。この場合の処置はどうなるでしょうか?

　走者にアウトが宣告されます。規則7.09は、次の場合は、打者または走者によるインターフェアになるとして、(h)項にこうあります。

「三塁または一塁のベースコーチが、走者に触れるか、または支えるかして、走者の三塁または一塁への帰塁、あるいはそれらの離塁を、肉体的に援助したと審判員が認めた場合」

　同規則の最後にはペナルティとして「走者はアウトとなり、ボールデッドとなる」とあります。

　この規則は周知徹底されているので、走者がアウトになることはめったにありませんが、先日の4月30日の巨人-中日戦(東京ドーム)で起こりました。7回裏の巨人の攻撃のとき、二死二、三塁で打者・實松一成の三塁ゴロを三塁手が本塁に悪送球したので、三塁走者は得点しましたが、このとき二塁走者も一気に本塁を狙いましたので、三塁の勝呂壽統コーチが手を広げストップをかけました。そのとき二塁走者の長野久義の体に触れてしまったのです。長野にはすぐアウトが宣告されました。

　この間に一塁に走者がいて三塁まで進んでいたら、どうなるでしょう。ペナルティとして「走者はアウトでボールデッド」とありますから、三塁への進塁は許されません。インターフェア発生の瞬間には三塁へ進んでいませんから、二塁へ戻されます。

　ベースコーチにインターフェアが宣告される規則はもう一つあります。7.09(i)に「走者三塁のとき、ベースコーチが自己のボックスを離れて、なんらの動作で野手の送球を誘致した場合」というものがあります。