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無死三塁。ファウルフライの捕球を試みる三塁手に三塁走者がぶつかり、捕球できなかった場合の処置は?

 

無死三塁です。打者は三塁ベース近くに上がるフライを打ちました。打球はファウルゾーンに上がっています。このとき走者はベースに戻ろうとして、捕球しようとする三塁手にぶつかったので、三塁手は捕球できずに終わりました。この場合の処置はどうなりますか。

 三塁走者と三塁手が偶然にぶつかったのなら走者アウトを述べた規則7.08(b)の「走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げとなった場合」により、三塁走者はアウトになります。

 同規則には続きがあり、その[原注1]には例外が述べられています。

 まず、「打球(フェアボールとファウルボールとの区別なく)を処理しようとしている野手の妨げになったと審判員によって認められた走者は、それが故意であったか故意でなかったかの区別なく、アウトになる」とあります。

 さらに走者がベース上にあることを前提にした次の規則が続きます。

「しかし、正規に占有を許された塁についていた走者が、フェア地域とファウル地域との区別なく守備の妨げになった場合、審判員がその妨害を故意と判断したときを除いて、その走者はアウトにはならない。審判員が、その妨害を故意と判断した場合には次のペナルティを科す。0アウトまたは1アウトのときは、その走者と打者とにアウトを、2アウト後のときは、打者にアウトを宣告する」

 さらに続く[注1]にはこうあります。「“野手が打球を処理する”とは、野手が打球に対して守備しはじめてから打球をつかんで送球し終わるまでの行為をいう。したがって、走者が、前記のどの守備行為でも妨害すれば、打球を処理しようとしている野手を妨げたことになる」というのです。かなり広い範囲で守備側の権利が守られているのです。
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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