2年間の浪人生活を終え、2006年に
巨人監督に復帰した
原辰徳監督は「チームの一体感」を重要視していた。前年、5位と低迷したチームが浮上するために必要な要素の一つと考えたのだろう。キャンプでも朝の散歩から夜間練習とチームがともに行動する機会が多かった。「みんなが朝、集合して、体操をして、食事も一緒にとる。ナンセンスだと思う人も、中にはいるかもしれない。だけど、チームなんだから、ジャイアンツなんだから」
グラウンドで磨けるのは目に見える、いわゆる有形の力。しかし、心の部分、いわゆる無形の力というものは、そのような方法を取らないとチームに備わっていかない。その考えが浸透したからか、巨人は自己犠牲をいとわない、高いチーム力を擁した集団へと変貌していった。
今季、
工藤公康監督(
ソフトバンク)、
田邊徳雄監督(
西武)、
大久保博元監督(
楽天)、
緒方孝市監督(
広島)、
真中満監督(
ヤクルト)と5人の新指揮官が誕生した。2月1日から始まるキャンプで、それぞれが志向する野球がまた露わになるだろう。どのような方法論でチームを束ねるのか、注目したい。