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プロ野球選手とその夫人との複雑で難しい関係。
日本の選手の夫人は「山内一豊の妻」型だったが、さてこれからは?

 

ヤクルトバレンティンは、どんな気持ちで今シーズンをプレーするのか――/写真=井田新輔


 ヤクルトのバレンティンが離婚係争中の夫人への暴行、監禁の疑いで逮捕されたことで球界は大騒ぎになったが、この一件で、ハリウッド製の格言(?)と言われる「離婚しない男はバカだが、2度離婚する男はもっとバカだ」を思い出した。

 人気商売で大金を一気につかんだ俳優は、この格言のような人生になりがちなのだ、という教訓が読み取れるのだが、人気商売で大金、となればプロ野球選手も同じ。昔から、夫人とのトラブルはつきものだった。思い出すと、巨人で活躍したクロマティもそうだった。

 もっとも、日本の場合は、夫人の“自己主張”がアメリカほどではないし、「山内(やまのうち)一豊の妻」タイプが理想とされたから、選手と夫人の夫婦愛の物語の方がクローズアップされてきた(近年はちょっと違ってきたのかな?)。一豊の妻はしっかりため込んだ黄金10両で夫に名馬を買い与え、織田信長の閲馬(馬ぞろえのようなものか)で一豊に恥をかかせないようにしたそうだが、バレンティン夫人がこの話を聞いたら目をむいたかもしれない。

 それはともかく、一豊の妻や糟糠(そうこう)の妻しか知らない日本のプロ野球団のフロントは、外国人選手の夫人への対応でしくじることがよくあった。夫人が主導権を握っているのに、こちらを無視してしまうから「日本なんか大嫌い。あなた、帰りましょう」となってしまう。

 このへんが上手だったのが、鶴岡一人元南海監督だった。日本人選手は「グラウンドにはゼニが落ちている」の名言で尻を叩いたが、外国人選手の尻を叩いてくれるのは夫人。「奥さんを大事にしておけば、助っ人選手は働いてくれる。まず奥さんを喜ばしてやらんとダメや」と親分は言っていた。

 鶴岡さんの下でプレーした外国人選手は、一番大事なところ、つまり・・・

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岡江昇三郎のWEEKLY COLUMN

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プロ野球観戦歴44年のベースボールライター・岡江昇三郎の連載コラム。

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