週刊ベースボールONLINE

野村克也の本格野球論

野村克也が語る「未熟な投手のリード」

 

ピッチャーにうまく投げさせる気配りが必要


 私が現役時代にリードしてきたピッチャーたちの中で、超一流と呼べるのは南海・杉浦忠ぐらいしかいなかった。実力に劣るピッチャーをリードするときほど、キャッチャーは腕の見せどころだ。おかげで私は、今もその視点で野球を見るようになってしまった。

 先発ローテーションの頭に投げるようなピッチャーなら、キャッチャーの腕はさほど大きく影響しない。しかしそれ以下の、あるいは敗戦処理で出てくるようなピッチャーの場合、「キャッチャーがいかにリードしてやるか」にかかってくる。

 巨人阿部慎之助には、それがない。なんとかうまく投げさせてやろう、俺の言うとおりに投げてこい、絶対うまく投げさせてやるから、という心配り、気配りが彼のリードからはまったく感じられないのだ。

 一昨年の日本シリーズでは、試合中のマウンドで澤村(澤村拓一)の頭をポカリとやった・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

野村克也の本格野球論

野村克也の本格野球論

勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング