プロなら自分の身になるオフを過ごすのは当然
シーズンオフをいかに過ごすか。体のケアに努めるもよし、自分の身になる何かをするもよし。何に時間やお金を使うかは、人それぞれだ。私は監督時代、選手にいろいろな話をしてきたが、そのあたりについてああしろ、こうしろとは言わなかった。プロである以上、自発的にできなければいけないことだからだ。
2冠を取り、南海が日本一になりながら大幅減俸を食らった1964年のオフ、日本シリーズが終わってすぐ、メジャー・リーグのワールド・シリーズを見にアメリカへ飛んだ話は以前書いたと思う。とにかく一度、本場の野球を見たかった。当時も日米野球はあったものの、シーズンオフの興行。こう言ってはなんだが、メジャー・リーガーたちも遊び半分でプレーしている。彼らの真剣勝負を見る絶好の舞台は、やはりワールド・シリーズだった。
その経験が以降の現役、監督生活にどんな影響を及ぼしたか、具体的なところは今、出てこない。それでも本場の野球、メジャーの真剣勝負を見たことは、必ずや1つの栄養になっているはずだ。
選手たちに“オフの過ごし方”はいちいち説かなかったが、“プロ意識を持て”ということは常に口酸っぱく話していた。“プロフェッショナル”とは、すなわち野球の専門家。そこでよく話したのが、私自身の苦い経験だ。
野球の名付け親は中馬庚とされている。プロ野球選手はそのほかにも野球に関して、さまざまなことを学ばなければいけない[写真=BBM]
リトルリーグの監督を務めていたときだった。「何か質問はないか?」と子どもたちに尋ねたところ、ある選手が手を挙げた。
「野球は、なんで“野球”って言うんですか?」
これは参ったなあ、と思った・・・
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