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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「清原和博」

 

清原のコメントを聞き森に苦言を呈したのだが


 清原和博(元西武ほか)が2月2日、覚醒剤所持の疑いで逮捕された。「最低!」「バカ!」と声を大にして言いたい。社会人としての常識、判断力、何もかもが欠如している。レベルが低過ぎて、話にならない。

 清原がPL学園高から西武に入団してすぐのキャンプで、彼を見た。そのバッティングにホレボレし、普段評論家として禁句にしている「素晴らしい」という言葉を使ってしまった。

覚醒剤所持の疑いで逮捕された清原和博容疑者。「最低!」「バカ!」と声を大にして言いたい/写真=Getty Images


 しかし、野球の名門校で厳しく育てられた選手がプロでも生真面目に精進するかといったら、そうとは限らない。「プロ野球選手になる」夢が叶い、満足してしまう。達成感に浸ったところでタガが緩み、酒や夜遊びなど誘惑に負ける選手も多い。

 清原が1年目か2年目のころ、私は当時監督だった森(祇晶)氏に「お前の教育が悪い」と言ったことがある。ヒーローインタビューか、あるいはマスコミのインタビューで清原のコメントを聞いていて、プロらしさ、強打者らしさを感じさせる談話が何一つ出てこなかったからだ。天性だけで野球をやっている。野球に対する思想、哲学が何もない。どんなピッチャーに対しても、来た球を打つ。相手ピッチャーが誰であれ、ボールカウントがどうであれ、常に自分のペースでバッティングをしている印象だった。頭を使って野球をするイメージが100%、伝わってこなかった。

 鉄は熱いうちに打てという。清原がプロ入りして最初に出会った監督が、森だった・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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