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Vol.28 吉永健太朗[早大・投手]
球威アップが秋までの最重要課題

 

「甲子園優勝投手」の肩書はやはり、ダテではない。昨年はケガなどもあり未勝利に終わったが、最終学年にはしっかりと合わせてきた。今春も4カード目の明大戦で故障したものの、秋もマークが必要な逸材だ。

 2011年の夏の甲子園で日大三のエースとして、チームを全国制覇へ導いた右腕。早大でも1年春から東京六大学リーグ戦に登板して優勝、大学選手権でも日本一に貢献した。2、3年時に伸び悩んだ点が気になるが、潜在能力は高いだけに、各球団のスカウト陣は最後までチェックが必要な投手だ。

 投球フォーム(8.0)については今は「間」がなくなっている。私はフォームを5つの段階で見るようにしているが、いいときは1、2、3、4くらいでゆったりしたフォームで投げられていたが、今は3の段階で投げてしまっている状態。いわゆる投げ急ぎの形で、下半身の体重移動が不十分で、上体で投げている。そうなると右ヒジが高く上がってこないし、胸の張りも足りない。打者にとってタイミングを取りやすく、球も見やすくなってしまう。早めに修正してもらいたい。



 ストレート(7.5)はもう一つ。力んで投げるため、右打者の外角を狙った球がシュート回転することが目立つ。アウトローにきっちり投げ切れるように、ブルペンで意識してほしい。

 一方で変化球(8.5)は多彩。独特の変化を見せるシンカーを始め、スライダーのキレもいい。ただし、変化球を生かすためには、やはり直球の精度を高めないといけない。真っすぐがあってこその変化球だからだ。追い込んだ後のワンバウンドになる球は腕を振って投げられる点は評価したい。

 制球力(8.0)は・・・

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プロフェッショナルレポート

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元巨人チーフスカウトで現在はベースボールアナリストとして活動する中村和久によるドラフト候補生の能力診断。

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