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Vol.3 柴田竜拓[国学院大・内野手]
世界で通用した堅実な守備職人

 

大学日本代表に初選出された昨夏、ハーレム大会(オランダ)で、日の丸のショートストップは世界舞台で躍動した。コツコツと積み上げてきた練習が、最高の栄誉として成果に出たのだ。アマ球界屈指の守備力を前面に、プロへ猛アピールしていく。
取材・文=佐伯要 写真=田中慎一郎



好きだった守備が嫌いになるほどの別世界


「自然体の守備職人」

 打球に対して、いつの間にか追いつき、捕球から送球まで力みのない動きを見せる。167センチと小柄な国学院大の遊撃手・柴田竜拓のプレーを表すには、この言葉がふさわしい。「派手さはないので、堅実さを心がけています」。柴田は、控えめに語る。

 昨年11月の第1回IBAF21Uワールドカップ(台湾)では、内野手では大学生でただ一人、21U侍ジャパンに選ばれた。同代表でコーチを務めた国学院大の鳥山泰孝監督は、プロの若手とプレーした柴田をこう評価する。

「打撃ではプロと決定的な差があるが、守備は十分勝負できると思う」

 岡山理大付高時代から守備のセンスには定評があったが、「大学で人間としても選手としてもしっかりやろう」と国学院大へ進んだ。

 だが、そこは「高校までは好きだった守備が嫌いになった」というほどの別世界。入学後、1年秋のリーグ戦が終わるまではレギュラー組のシートノックに入ることもできなかった。その理由を鳥山監督が明かす。

「プレーに光るものはあったけど、まだ基礎ができていないと判断しました。未熟なまま使うより、じっくり育てよう、と。『いつか見返してやる』という反骨心もありましたしね」

成長のきっかけは努力と同級生の活躍


 柴田は上月健太コーチと二人三脚の日々を送った。上月コーチは、国学院大では1年春から遊撃のレギュラーで、東海REXを経て09年にコーチに就任。渡邉貴美男(JX-ENEOS)や谷内亮太(東京ヤクルト)ら名遊撃手を育てた実績がある。

「当時の柴田は・・・

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