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「対決」で振り返るプロ野球80年史

最終回 対立軸が曖昧になった両リーグ vs 「東西」という対抗意識の軸

 

対抗意識が消えたオールスター、CSもアイマイ化に拍車


 この連載も最終回となった。「対決」を軸にプロ野球80年を振り返ってみれば、案外面白い切り口が見え、そこから意外な展開になるのでは、という勝手な期待をもって始めたのだが、終わりに近づくに従って、対立軸がアイマイになったり、見えにくくなったりで、かなり強引に「対決」を仕立て上げざるを得ない仕儀に立ち至った。

 これは、こちらの能力不足にもよるが、プロ野球という組織自体が、アイマイになり、対立を好まないものに変わってしまったことによるのではないか、と考えている。09年に新しい「野球協約」が発効し、コミッショナーが、オーナー会議の下に置かれることになったのも大きい。かつての内村祐之、下田武三両元コミッショナーとオーナー連の“対決”のようなことがあり得なくなったことで、組織としてのダイナミズムが、かえって失われてしまったのではないか。

 30年前に日本を離れ、今年の春帰国したプロ野球ファンがいたとする。さて、彼の目にいまのプロ野球はどう映るか。

 セ、パ両リーグの2リーグ体制は変わっていないが(04年はピンチだったことは書いた)、両リーグ会長職はなくなり、両リーグの連盟事務局もなくなった。さらに審判も統一された。交流試合が始まったのは、喜ばしいことだったが、これもある面、両リーグのアイマイ化、流動化と言えなくもない。

 セ、パ両リーグ会長が消え・・・

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「対決」で振り返るプロ野球80年史

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「対決」軸から80年のプロ野球史を振り返る読み物。

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