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西武・伊原春樹監督「普段の生活はそのままプレーに現れます」

 

昨季終盤、怒涛の追い上げを見せてクライマックスシリーズ進出へ滑り込んだが、08年のリーグ優勝以来、5年連続でVを逃した。今季、その指揮を託されたのが黄金期を知る伊原春樹監督だ。指導者として豊富な経験を誇る伊原監督が11年ぶりに西武に復帰。就任後の秋季キャンプから厳しい規律を説くなど、選手たちには伊原イズムを浸透させてきた。伊原イズムの真意、そして「優勝しかない」と目指す頂点への展望を語ってもらった。



 昨年の秋に監督就任が決まってから、何度も言っていますが、フロントも現場も共通目標というのは、まずリーグ優勝しかありません。チームワークがいいチームは組織力があるということ。現場でいえば、監督、コーチ、選手、裏方のスタッフを含めて、同じ方向に向かって進んでいかなければいけない。優勝は目標ではなく、優勝しかないという意味です。

 その中で、私が常々選手たちに言っていることは「当たり前」のことです。それを「当たり前」にやってほしい。本当に当たり前のことしか言っていないんですよ。例えば、時間の厳守、挨拶をきちんとするなどは、社会人として当たり前のことと思うでしょう?

 ただ、その当たり前がなかなかできない人もいる。それを野球、野球の技術に置き換えても同じなんです。野球の場合には、(対戦)相手もいることだから、その「当たり前」がなかなかできなくなるんですけど、できるだけその当たり前をきっちりとやっていくことが大事なんです。その「当たり前」=ルールといってもいいでしょう。お互いがルールを守っていくことで協調が生まれ、皆が同じ方向を向いていけるわけです。

 私自身はコーチ時代から温厚にやってきたと思っていますが(笑)、ファンの皆さんが親しみも込めて「鬼のコーチ」「鬼軍曹」と言ってくださって、厳しいイメージがあるんでしょう。それで結構だと思います。いくら私が温厚な顔をしていても、選手は「いつかは鬼が出てくるぞ」と思っているかもしれないですしね。実際、協調はしても妥協はしません。ダメなものは、ダメ。そういう厳しさはあります。

 今回は(ユニフォームの)ズボンのパンタロンはダメ、髭はダメと言っています。選手は、それだけで「ちょっと鬼だな」という気持ちになっているかもしれませんが、これらにもすべて意味があるわけです。一瞬を争う中で、ズボンの裾を踏むなどミスが出れば、勝てるものも勝てません。ヒゲも伸びているのは無精の現れ。毎朝、ヒゲを剃るのに使う時間はものの2、3分。そこで刃のある髭剃りを使うことで、顔を傷つけないように神経を使うわけです。それはやっぱり野球につながるところがある。試合では、神経質になってやらなくちゃいけない部分があるんです。

 また、ロッカーを見れば、だいたいその選手のプレーが分かります。整理整頓ができている選手というのは・・・

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