12年に優勝した日本ハムは13年は最下位と大きな起伏を描いたが、14年は5月29日以降はAクラスに留まった。ただし、一度も首位争いには加わることのないAクラスであったが、終盤の7試合に6勝した追い込みは、15年への希望を抱かせる。一方の広島は8月31日現在では首位に1ゲーム差に迫り、CSに2年連続で出場したが、2位の阪神には2試合を通じて無得点で敗退。しかし、黒田博樹の電撃復帰が決まり、大きな期待感の中で新シーズンを迎える。 千葉 功(プロ野球アナリスト) 北海道日本ハムファイターズ
1点差試合の弱さ 14年の日本ハムは不思議なチームであった。134盗塁、172犠打はリーグ第1、2位と機動力を活用するチームであったのに、1点差試合には18勝25敗で勝率.419と弱かったことである。
ロッテは盗塁64、犠打109ともどもリーグ最少だったのに、1点差試合には24勝16敗で.600と強さを発揮していた。
常識的には機動力を発揮できるチームは接戦にも強いはずであるが、その逆だったのが14年のパ・リーグだ。それをより具体的に示すのは満塁における打撃成績である。日本ハムの満塁における打率は.240でリーグワースト。
オリックスは.318で最高であり、
西武も.280であっただけにせっかくのチャンスを生かし切れない日本ハムであった。
最下位に転落していた13年でも満塁での打率は.289で、満塁本塁打は6本もあっただけに、3位に終わった14年の日本ハムは非効率な攻撃が多かった。
打点王に輝いた
中田翔は満塁でも8打数で本塁打1を含む4安打で.500だった。中田はレギュラーになって2年目の12年に全試合に出て打率.239だったが、満塁で12打数0安打だったことがある。そのときに「満塁で10割打てる打者になりたい」と語っていたが、13年には満塁で4打数2安打.500であり、14年には8打数4安打の.500で9安打と着々とチャンスに強い打者に成長しつつある。
しかし、14年の日本ハムで、満塁で5打数以上打席に立って3割以上の打率を残した打者は中田のほかは.333のミランダと.350の大引だけ。大引は
ヤクルトに移籍したので、日本ハムには満塁に強い打者は少なくなった。満塁で9打数1安打の大野、10打数1安打の中島卓らの奮起が望まれるところだ。
▲かつては満塁での打率が課題だった中田翔。14年は8打数4安打とチームの中では抜群の存在感を発揮した
パ・リーグの満塁における打撃成績 かつての堅守はどこへ 日本ハムは13年の最下位から3位に順位を上げていたが、チームの内情も大きく変わっていた・・・
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