黒田博樹が広島に復帰した。91年を最後に、もう23年も優勝から遠ざかっている広島だが、黒田の復帰で24年ぶりの優勝も現実味を帯びてきた。昨年も2年連続でクライマックスシリーズに出場した広島だが、そこにメジャーで79勝の黒田が加わったのだから、優勝候補に挙げられるのは当然である。 2月17日にチームに合流した黒田博樹。頼れる右腕はVの使者となれるか
巨人との対戦成績がチーム力を占う試金石
広島が最後に優勝を飾ったのは91年。その後は2位ですら95年の1度だけである。
50年に誕生した広島だが、
巨人には通算675勝936敗58分けと大きく負け越している。相手別での最大の負け越し。2リーグ分立を機に誕生した広島は球界の盟主巨人にはまったく歯が立たなかった。58年までの初めの8年間は勝ち数は1ケタで毎年負け越していた。
巨人に初めて勝ち越したのは60年で17勝8敗1分け。チームは勝率.504と初めて勝ち越していた。
それからというもの、広島にとって巨人戦の成績がチーム力を占うデータになっていた。14年までに広島が巨人に勝ち越したのは16度あるが、そのうち11度までは広島の勝率は5割台だ。
巨人に勝ち越していないのに広島が優勝したのは79、80年だが、80年は11勝13敗と善戦していた。21世紀に入って巨人戦勝ち越しは4度あるが、いずれもわずかである。08年の12勝10敗を最後に、巨人戦には6年連続の負け越しだ。
▽09年=7勝14敗3分
▽10年=6勝18敗
▽11年=6勝16敗2分
▽12年=8勝15敗1分
▽13年=8勝14敗2分
▽14年=10勝13敗1分
成績を見ると一方的に負け越している。したがって、09年からは3年連続の5位であり、12年は4位、13、14年は3位。14年は勝率も01年以来の5割台に復活した。やっと上昇ムードかと思われたそのとき、黒田の復帰である。メジャーへ行く前は巨人キラーで鳴らしていた黒田だけにV奪回への機運は一層高まる。
広島で103勝の黒田はメジャーのドジャース、
ヤンキースで合計79勝、日米通算で182勝になる。
日本人投手のメジャー最多勝は
野茂英雄の123勝。メジャーでの日本人投手の勝利数10傑はこうなる。
1位 123勝109敗:野茂英雄
2位 79勝79敗:黒田博樹
3位 56勝43敗:
松坂大輔 4位 51勝68敗:
大家友和 5位 45勝43敗:
長谷川滋利 6位 39勝34敗:
石井一久 6位 39勝25敗:
ダルビッシュ有 8位 38勝20敗:
岩隈久志 9位 34勝35敗:
伊良部秀輝 10位 32勝47敗:
吉井理人 日本人投手ではパイオニアの野茂英雄に次ぐ第2位の勝ち星である。
04年からは完全なる巨人キラー
黒田博樹は96年秋のドラフトで広島から2位指名されて入団。1位は青学大の
澤崎俊和で、広島は大学球界を代表する2人の投手を獲得して評判になった。
黒田の初登板は4月25日の東京ドームでの巨人戦。先発を知らされたのは前日だったが・・・
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