巨人は後半戦に入っても一向に復調の気配がない。8月10日現在、52勝51敗の勝率.505で3位である。原因は明白で打線の不振だ。今年のチーム打率は.238でリーグワースト。本塁打も71本でリーグ4位。投手陣がリーグ随一の防御率2.89であるのでなんとか上位をキープしているが、これだけ打線が鳴りを潜めていては見通しは暗い。不振打開のカギはどこにあるのだろうか。数字の側面から検証してみたい。(文中・表の記録は7月28日時点) クリーンアップを固定できない台所事情
選手が代わってばかりいるのが今シーズンの巨人である。規定打席に達しているのが、
坂本勇人と
亀井善行の2人だけ。他の球団が4、5人を規定打席に送っているのに、巨人はわずかに2人。しかも坂本は打率11位であり、亀井は19位。打撃10傑にも巨人の選手が見当たらない。
当然ながらクリーンアップトリオもめまぐるしく変わっている。三番には6人が起用されているが、40試合の亀井は打率.260で本塁打はゼロ。25試合の坂本も打率.287で3本塁打、11試合の
橋本到は打率.366も1本塁打。つまり巨人の三番は開幕から93試合で4本塁打。開幕から17試合目の4月16日の
DeNA戦で橋本が初めて三番で本塁打を打っているが、三番の2本目は7月11日の
阪神戦の坂本。この間、実に64試合も巨人の三番は本塁打を打てなかった。
四番の本塁打は坂本が5本打っているが、坂本以外が四番に起用された45試合での本塁打は
阿部慎之助が打った1本だけである。五番の本塁打は9本出ているが、打率は.234。
村田修一は開幕から6試合続けて五番に起用されたが、開幕のDeNA3連戦に10打数ノーヒット。続く3月31日と1試合置いて4月2日の
中日戦には各2安打した。しかし、3日の阪神戦には五番にセペダを入れたので村田は六番となり、それからいままで再びクリーンアップに起用されたことはない。
チームの主軸を担う坂本もここまでは苦しい打撃が続く。まずはクリーンアップの固定と若手の積極起用でこの現状をなんとか打破したい
阿部は捕手は返上したが、開幕からしばらくは四番で登場していた。そのうちに正捕手を予定していた
小林誠司の不振で再び阿部がマスクをかぶるようになったが、首を痛めて欠場。巨人は開幕早々にいきなり四番に頭を痛めた。
4月29日の中日戦には前日の試合で七番で2安打した
中井大介を8年目で初めて四番に起用・・・
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