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驚異的な強さでリーグ制覇 ソフトバンクの強さを徹底解剖

 

ソフトバンクは9月17日にヤフオクドームで西武に5対3で勝ち、2年連続19度目の優勝を決めた。本拠地を福岡に移してから7度目の優勝である。まだ16試合も残していたのは、65年の南海の19試合、90年の巨人と並ぶ史上2番目の早さでの優勝。9月17日の胴上げは、パ・リーグでは64年南海と95年オリックスの9月19日を抜いて最も早い記録。このソフトバンクを根底で支えていたのは打率、防御率ともにリーグ1位の圧倒的な戦力であった。
記録は優勝決定時点

絶対的な抑えのエースとしてマウンドに君臨したサファテ。この男が陰のMVPと言ってもいい活躍ぶりだった



同一カード3連戦3連敗は一度もなし


 開幕カードのロッテ3連戦には●○●であったが、6月19日に首位に立つと独走。連敗がないのもチームの大きな強みだった。

 3連敗は4月25日から同28日の1度だけ。2連敗もシーズンで3度しかなく、同一カードで3連戦3連敗はゼロ。32度あった同一カード3連戦で負け越したのは5度。1勝1敗で迎えた3連戦目に負けたのは開幕の3月29日のロッテ戦に4対5で敗れた1試合しかない。

 2リーグ制後の優勝球団で、連敗が少なかったのは51年の南海と巨人の4度。ただし、この年はアメリカ球団の来日があり、巨人は114試合、南海は104試合で打ち切られていた。130試合以上のシーズンでは、連敗が5度以下の優勝球団はない。

 3連敗以上が1度は50年の松竹と毎日の2球団だけ。今シーズンのソフトバンクがいかに連敗が少なかったかがデータからも分かる。

▼ホーム=42勝20敗3分.677
▼ロード=43勝18敗1分.705

 ホームとビジターの両方で勝率が6割5分以上は90年の巨人以来であり、パでは78年の阪急が記録して以来37年ぶりのことである。昨年のソフトバンクはホームで.652だが、ロードでは.478と内弁慶であったが、今シーズンは見事に面目躍如となった。

 そんなチームを束ねた工藤公康新監督は就任1年目での優勝。新人監督の優勝は12年の日本ハム栗山英樹以来18人目。工藤監督は10年に現役を退いてコーチ経験なしでの優勝であり、04年の落合博満(中日)と12年の栗山に次いで史上3人目(選手兼任監督を除く)。投手出身の監督では初めてである。

 今年のソフトバンクの優勝決定は85勝目。新人監督の最多勝記録は02年の伊原春樹(西武)の90勝で、優勝決定後も力を抜かず、9月24日現在で88勝に達している工藤監督はこの記録更新も間違いないだろう。



抑えのサファテを筆頭に強固な救援投手陣


 チーム防御率は3.11で、同2位のオリックスの3.56に大差をつけて第1位。規定投球回に達しているのは先発の武田翔太(防御率3.09=5位)、中田賢一(3.41=9位)、スタンリッジ(3.74=12位)の3人だが、救援投手陣が豪華である。

 継投策を謳いながら救援投手に人材を欠くチームは少なくないが、ソフトバンクに関しては救援投手が光っている・・・

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