西武の秋山翔吾は年間216安打のシーズン最多安打のプロ野球新記録を樹立し、3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリーもヤクルトの山田哲人とソフトバンクの柳田悠岐の2人が達成した。球史に刻む大記録が数多く生まれた2015年だが、143試合すべてに休みなく出場した選手も両リーグを通じて11人いた。この皆勤選手たちにレギュラーシーズンが閉幕したいま、あらためてスポットライトを当ててみたい。 秋山翔吾がプロ5年目で初の全イニング出場
プロ野球記録のシーズン216安打を達成した西武の秋山翔吾。不動の一番バッターとしてすべての試合に出場を果たした
143試合すべてに出場した選手の内訳はパ・リーグで5人、セ・リーグで6人。
阪神の
鳥谷敬は05年以来11年連続の全試合出場であり、04年9月9日以来の連続出場記録も1609試合となった。これは
衣笠祥雄の2215試合、
金本知憲の1766試合に続く歴代3位である。鳥谷がいるので目立たないが、
広島の
菊池涼介、
丸佳浩、
日本ハムの
中田翔も2年連続の連続出場である。
西武の秋山翔吾は13年に次いで2度目の皆勤賞。秋山は今シーズンこそと狙っていたのが全イニング出場である。前回は途中で退いたのが1試合あったので、惜しくも全回出場を逸していた。
13年8月18日の
楽天戦(西武ドーム)は西武が勝利したが、9回裏に西武が4点を挙げ、12対11で勝った乱打戦。8回に五番の秋山に打順が回ると、代打にスピリーが送られた。16、17日に計7打数ノーヒットと振るわなかったが、この試合では2安打している。スピリーは三振に終わったが、秋山は全試合に出場していたものの、1打席に代打が送られたので秋山はこの年、ソフトバンクの
長谷川勇也と
松田宣浩の2人しか達成していない全回出場を逸していた。
今年は打率も.359の2位とあって、代えられる理由もない。見事に全イニング出場を果たしたが、今年のフル出場11人のうち、全イニングに欠かさず出ていたのは秋山のほかソフトバンクの松田、ヤクルトの山田哲人、阪神の鳥谷と、両リーグで4人だ。
しかも、今年の秋山は打順も一番に完全定着していた。全試合に出場して同じ打順だったのは秋山ひとりである。ほかに不動の打順(四番)だった選手は日本ハムの中田であるが、2試合だけスタメンから消えた。8月29日と同30日のソフトバンク戦である。
8月28日のソフトバンク戦で8回に二塁打を打った際に右足首を痛めて代走と替わり、翌日からの2試合には代打で出場。29日は左前にタイムリーしたが、30日は三振。だがこの2試合を除いては四番で出場していた。141試合は四番の最多出場である。
今年は初めて30本塁打を放ち、102打点でパ・リーグでただ1人の2年連続100打点は達成したが、打率が.263で19位という点が物足りない。日本球界を代表する四番打者になるために、さらなる成長を期待したい。
強打者の宿命
死球対策も今後の課題
その点で惜しまれるのはソフトバンクの柳田悠岐である・・・
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