週刊ベースボールONLINE

記録の手帳 / 千葉功

2015年に最も輝いた日本人メジャー投手は?

 

ソフトバンク松田宣浩がメジャー・リーグへの移籍が可能となる海外FA権を行使することが明らかになった。球団は大型契約を提示して残留を要請するというが、日本人選手のメジャー志向は相変わらずである。これまでメジャーの舞台に立った日本人は投手が38人、打者は14人の合計52人。今週は38人の投手の足跡を振り返ってみたい。

今季の2ケタ勝利は田中将大の1人だけ


決して100%のパフォーマンスとは言えなかったが、及第点の成績を残した田中将大。来シーズンもヤンキースのエース格としての活躍が期待される[写真=Getty Images]



 日本人メジャー・リーガーは09年には投手11人、打者7人の18人が登場していたが、今シーズンは投手が8人、打者3人の11人とは一時のブームも消えかかっている感じだ。

 8人いた投手だが、レンジャーズで4年目を迎えたダルビッシュ有は3月に右ヒジの手術(トミー・ジョン)を受け、復帰は来年5月まで待たなければならない。残る日本人投手7人の今年の成績はこうだ。

▽田中将大(ヤンキース) 24試合12勝7敗0S 3.51
岩隈久志(マリナーズ) 20試合9勝5敗0S 3.54
上原浩治(レッドソックス) 43試合2勝4敗25S 2.23
田澤純一(レッドソックス) 61試合2勝7敗3S 4.14
和田毅(カブス) 8試合1勝1敗0S 3.62
藤川球児(レンジャーズ) 2試合0勝0敗0S 16.20
村田透(インディアンス) 1試合0勝1敗0S 8.10

 7投手合わせて26勝25敗28Sである。藤川は2試合に投げただけで帰国し、その後は四国の独立リーグでプレー。村田は大阪体育大の出身で08年に大学生・社会人ドラフト1位で巨人入りしたが、3年間一軍に昇格できずに退団。11年に渡米してマイナーで投げていたが、15年にはインディアンス傘下のインターナショナル・リーグ(3A級)のコロンバスで15勝4敗をマークした。

 5勝したところでメジャーに昇格し、6月28日のオリオールズ戦に先発したが、3回1/3に3自責点でKOされて敗戦投手。再び3Aに戻ったが、そこで閉幕までに10連勝していたから来シーズンのメジャー昇格が注目される。ところで、2ケタ勝利は12勝の田中1人だけだった。

 その田中でも154イニングで終わり、規定投球回数162に満たなかった。田中はメジャー1年目の昨年7月に右ヒジじん帯の部分損傷が見つかってから心配がつきまとっていた。今年も4月末に40日間もマウンドから遠ざかっていた。

 その点、敬服するのは黒田博樹がメジャー2年目の09年こそ117回1/3に留まったが、10年からメジャー最後の14年まで5年続けて必ず規定投球回数に達していたことだ・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

記録の手帳

記録の手帳

プロ野球アナリスト千葉功によるコラム。様々な数値から野球の面白さを解説。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング