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記録の手帳 / 千葉功

昨季2位 日本ハム&巨人の2016年シーズンへの課題

 

2位とはいえ、日本ハムと首位のソフトバンクとの差は12ゲーム。交流戦最後の6月16日までは首位だった日本ハムだが、次第に大きく差をつけられた。ソフトバンクに9勝15敗1分けと大きく負け越し、再び首位に立つことはなく、クライマックスシリーズ(CS)でも3位のロッテに敗退した。一方の巨人は8月7日までは阪神ヤクルトとともに首位争いしていたが、8月8日以降は2、3位に定着。優勝したヤクルトとのCSでも第1戦に勝利しながらも3連敗を喫し、2年ぶりの日本シリーズ出場を逃した。

日本ハム・ソフトバンクに勝つには打線の強化も急務


 首位ソフトバンクとの直接対決は9勝15敗1分けだったが、3勝は優勝決定後の試合。11回戦終了の時点では日本ハムも5勝6敗とほぼ互角に戦っていたが、12回戦から22回戦まで1勝9敗1分けと一方的に負けたために、ペナントの行方は一気に決まってしまった。

 2011年からの5年間で13年を除いてソフトバンクと日本ハムは毎年Aクラス入りしているが、実は13年を除いては必ずソフトバンクが勝ち越しているだけに力の差は歴然で「両雄」とは言い難い。



 その最大の理由は打線の差である。昨年もソフトバンクは日本ハム戦に打率.274で25本塁打を放っているが、日本ハムは打率.230で本塁打もソフトバンクの半分以下の12本である。11年には打率.199、14年にも.219と、ソフトバンク戦になると日本ハム打線は顕著に沈黙してしまう。

 チーム随一の打者がソフトバンク戦となると一転する。近藤健介はリーグ3位の打率.326であったが、ソフトバンク戦には70打数13安打で.186と実力を出し切れなかった。11、12年には糸井嘉男(現オリックス)がチーム随一の打率を残していたが、ソフトバンク戦では11年.276、12年には80打数13安打で.163と、不本意な成績に終わっていた。日本ハム打線のキーマンを徹底マークすることで、打線の機能を低下させるというのがソフトバンクの策であれば、見事に成功していたわけである。

 4年ぶりのV奪回のためには、徹底的なソフトバンク戦での勝率アップと苦手克服が最大の目標になる。

強肩の正捕手育成もチーム長年の課題


主にDHとしてリーグ打率3位の成績を残した近藤は、16年からは再び捕手に戻る予定。守備面の課題を克服することが、正捕手定着への近道となる



 チーム打率、防御率は3位であるが、守備率は5位の日本ハム。三塁手が19失策し、楽天の23失策に次ぐワースト記録は是正されなくてはならない。楽天はロッテから今江敏晃を獲得しているが、日本ハムは打率リーグ28位ながら本塁打は3位の34本塁打を打っているレアードが今年も担うことになる。

 日本ハムは守備面でもう一つ問題がある・・・

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