シンプルに戦うことを求めた結果。オレの交流戦成績は良いんよ
いまやすっかりおなじみになった交流戦ですが、これが始まって、今年で11年目にもなるんですよ。昔、セとパが顔合わせするといえばオープン戦、オールスター、日本シリーズだけだった。そこで球界をさらに盛り上げようと、企画されたのがこの交流戦である。
2005年から始まり、いろいろな形態を経験して、今年からは1カード3試合、合計18試合の中身になった。長いシーズンの中の18試合だ。それほど気にするような期間ではない……と思いがちだが、これがまったく違うのだ。交流戦の成績が、レギュラーシーズンの順位に大きく影響する。これは過去10年の歴史で実証済みだし、戦う側はかなりの神経を使う期間になっている。
05年スタートといえば、オレが
阪神監督の2年目。当時は1カード、ホームとビジターで各3試合。1カード6試合で6球団とぶつかるわけだから、36試合、違うリーグと試合をするわけです。今年より倍違う試合数だから、公式戦の順位に大きく、反映するわけよ。そういう手探り状態で始まった交流戦だが、まずここで恒例?の自慢タイムに入るよ。阪神監督時代の交流戦成績をまず振り返ってみる。
05年が21勝13敗2分け。06年が21勝15敗。07年は9勝14敗1分けで、08年は1カード4試合になって15勝9敗。なかなかの成績を残していると思ってくれますか。1年は負け越しているけど、3年は大きな貯金を、この交流戦で稼いでいるのです。岡田は交流戦が得意!とスポーツ新聞で扱われたものだが、どうして、これだけ交流戦でいい成績を残せたか。答えはひとつ。「シンプル・イズ・ベスト」の戦い方にあったわけなんよね。
もちろん交流戦が実現すると決まってから、対策は練る。まず情報収集よ。そのために交流戦用のスコアラーを派遣し、対戦チームを2カード分、追ってもらうわけ。先発ローテーションがどう巡っていくか。そのためには6試合分の先発投手を調べなければならない。そういう調査を実施し、あとは集められたビデオを確認して、攻略法を練るわけだけど、これらは「データ」というより「傾向」といった方が適切だろう。データという細かいところまではいかず、傾向を見極める作業といった方がいい。
だけど、この傾向に偏って、戦略を立てていくと、墓穴を掘る危険性をはらんでいるのだ・・・
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