交流戦でパ・リーグにメチャクチャにやられた結果…
いきなりですが、
岡田彰布の自慢タイムに入ります。そらそうよ。
セ・リーグのこの大混戦、何か関連する事象はないか……と調べたら、見つかったんですわ。オレはメジャー・リーグも常にチェックしている。だから、ピンときた。ひょっとしたら、今年のセ・リーグは、あのシーズンのメジャー・リーグのような結果になるかも……と思ってしまったのだ。
あのシーズンとは2005年。この年、オレが監督で、
阪神はリーグ優勝したんやけど、メジャー・リーグでは、驚くべき数字の優勝があったんよ。ナ・リーグの西地区の優勝チームはパドレスだったんだけど、成績は……と見ると、なんと82勝80敗! 貯金2で優勝という極めてレアなものだった。
これは同じリーグのほかの地区に強いチームが多くあり、そこと対戦して、西地区のチームが軒並みやられたという結果が、この貯金2の優勝につながっているわけよ。それにしても勝ち越し2で優勝とは。オレもそんな話、聞いたこともないわ。
このメジャー・リーグの珍現象、似たケースが今年、日本で起きているのだ。セ・リーグの大混戦はまさに交流戦の影響。これは間違いない。すでに終わった交流戦だが、今シーズンはパ・リーグが力の違いを見せつけ、セはメチャクチャにやられた。唯一、勝ち越したのが阪神だけ。
巨人、
DeNAは大きく負け越し、その結果、1位から6位まで、驚くほど差が詰まった。ファンにとっては面白い展開になったけど、オレとしては、何か複雑な心境やわな。
6月24日の
広島戦(富山)で、阪神は勝ち、ついに首位に立った。でも、貯金1で首位やで。4月の話ではない。もう6月の終わりやし、試合数も半分近く消化した時点での現象よ。もちろんオレも経験したことはない。普通、どこかのチームが貯金を2ケタに乗せて、独走状態を築こうか……というのが、通例だけど、いまは上から下まで4ゲーム差以内になっている。この混戦を引き出したのが交流戦だったというわけよ。
オレは現役、コーチ、監督として3度、リーグ優勝を経験している。1985年は現役、03年はコーチ、05年は監督で優勝しているけど、今年ほどの混戦は記憶にない。というのも85年は広島、巨人との三つどもえの争いで、しのぎを削った。最後は抜け出したけど、ダンゴ状態というわけではなかった。
03年は星野(仙一)さんが監督で、そらぶっちぎりよ。夏にはマジックを点灯させるほどの独走で、1度も首位を明け渡すことなく9月にはゴールを切ったんよ。オレが監督になって2年目の05年は
中日との争いで、最後の最後まで、気は抜けなかったけど、貯金30超えの、レベルの高い優勝やった……と自負している。やっぱり普通は、優勝するには貯金が20以上になる。試合数にもよるが、大体勝ち数は80勝がメドになる。こうなると上と下がはっきり色分けされるのだが、今年のセの優勝争いは・・・
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