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お祭りであって、真剣勝負…これがオールスターゲーム。選ばれたら、すごさを示すことが大切や

 

随所にさすがとうならせるあこがれを抱かせるのが球宴


 勝率5割ジャストで、DeNAが首位に立ち、前半戦最後のゲームで順位が変わり、ここでオールスターブレークに入ったわけだが、どこの監督もまったくブレーク感はないと思うな。空前の乱セ、混セは、後半戦に入っても、当分は続くと見た。だからオールスター休みで、ホッとひと息……なんて気分にはなれないだろう。監督として、ここから抜け出すために、どういう手を打つか。どう戦力を立て直すか。頭の中はそういうことでいっぱい。休みでリフレッシュとはいかないだろうな。

 そういう中で行われたオールスターだったが、今週はオレの「球宴思い出話」を書いてみる。幼いときから、オールスターゲームをテレビで観戦するのが楽しみで仕方なかった。セとパのスター選手が出場し、そこでスーパープレーを見せてくれる。心ウキウキの状態が3試合もあった。この球宴ウイーク、オレはテレビにかじりついていたわ。

「プロに入ったら、オールスターに出場できるような選手になる」。幼心にそう決めていたわ。プロ選手になるのが目標で、オールスターに出るのはあこがれ……。そんな感じやったな。だから、このころにオールスターに出ている選手は、セ、パ関係なく、あこがれのプレーヤーやった。公式戦では阪神巨人のゲームを見るのがほとんどだったけど、選手名鑑で調べたパ・リーグの選手が、このオールスターで見ることができる。パ・リーグにも、こんなすごい選手がいるんや! と驚いたこともあったわ。

 オールスターはやはり、こういう野球少年の心を揺さぶるものでないと、な。お祭り色が強いけど、随所にさすが、と唸らせるプレーがある。それを見て少年たちはあこがれを抱く。それが、オールスターの使命ともいえるのではないだろうか。

 オレが阪神に入団したのは1980年だったが、ご存じのとおり、開幕からなかなか出場機会がなくて、成績も伴わなかった。だからオールスター出場は、叶うものではないかな……と思っていたけど、5月に監督が代わり、代行監督になった中西太さんがオレを起用してくれて、そこから成績が上がりだした。その時期に始まったファン投票で、オレはトップの得票数になった。1年目から球宴に出ることになる。うれしかったなあ……。あこがれの舞台に立てる。ホンマ、身震いしたわ。

 そして西宮球場でのオールスター。確か2回表やったと記憶している・・・

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岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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