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DeNAは簡単には落ちんよ。反発する力が備わったことがDeNA打線の強さやと思うな。問題は…

 

金本と球児に縁があったように中畑監督は筒香と山崎に縁が


 唐突ですが……、縁や巡り合わせの大切さを感じることがある。というのも、オレが阪神の監督になった2004年。まず、最初に手がけた仕事は、チームの四番打者捜しだった。打線の看板である。看板にはそれなりの条件がある。それをすべて満たす選手が目の前にいた。そう、金本知憲だ。オレはまったく迷うことなく、金本を早々と呼んで「四番を打て」と伝えた。

 これが縁、巡り合わせなのだ。監督になったとき、そういう選手と巡り会う。このタイミングがすごい。もし、金本があのとき、タイガースにいなかったら……。オレは理想のチームを作れていなかったわけよ。そういう選手と縁があったから、2005年、リーグ優勝できたわけや。不思議な巡り合わせ……と、オレは感じている。

 同じようなことが藤川球児にも当てはまる。それまで球児は先発したり、セットアッパーで起用されていたけど、鳴かず飛ばずだった。でもオレは二軍で球児をずっと見てきた。こういうところでくすぶっている選手やない。そう考えていたら、オレが監督になった。当然、球児を登用する。それも大事なポジションで投げさせるわけよ。セットアッパーからクローザーへ。JFK誕生の基礎になった球児の存在……。これも縁であり、巡り合わせやった。そこには言葉に表せない何かがあったわけなんよな。

 さて、ここまで書いて本題に入る。「今週号はDeNA特集です」と編集担当者から連絡が入った。オールスター前に首位に立って、前半折り返し。そら、特集されてもおかしくない。混セの主役を張るチームや。そこで岡田彰布のそらそうよ、でDeNAを分析せよ! との指令が下ったってわけや。

 オレは思う、中畑(清)監督は先にオレが経験したように縁や巡り合わせを大事にしたと思うよ。監督に就任して4年目。それまで確固たる四番がいなかった。それが今年、目の前に現われた。若き主砲・筒香(嘉智)である。彼の成長度を中畑監督は見守ってきた。そして今年、筒香に懸けてみる……という信念を持てるまで成長したと判断した。これが巡り合わせなんよ。実に素晴らしいタイミングで四番が誕生した。早々と四番・筒香をぶち上げ、そのとおり、四番を打たせてきた。故障で離脱した以外、どんなことがあろうとも、筒香を四番から外さなかった。これで打線に芯が通った。軸がはっきりした。ブレない打線になった。DeNAが首位争いをしている源はここよ。筒香の成長と・・・

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岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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