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岡田彰布コラム

どこよりも早い戦力分析?そら無茶やで!まあでもベテランが抜け、若返りできる態勢を作った中日が2016年の注目や

 

04年オフは6人の外国人を切って大胆改革をしたな


谷繁監督も専任監督となり、タクトを振る。思い切った若手起用が見ものやな



 ネタ枯れの季節、またまた無茶ぶりをかまされた。「今週号は2015年最後のコラムになります。だから思い切って、岡田彰布の日本一早い戦力分析って、どうですか?」。あんな、まだどこの球団も最終補強は終わってないで。新しい外国人も決まってないチームもあるし、FA戦線もまだ流動的な部分を残している。それなのに戦力分析してくれ!って、そら無茶やで。

 でも、それを何とかするのが仕事やし、な。15年最後の週ベで、早くも16年の展望……。となればオレなりの考えを書いてみることにするわ。その前に、オレには過去、忘れられない補強に関する思い出がある。2003年のオフ。星野(仙一)さんが監督を辞められて、オレが継いだ。リーグ優勝したチームを引き継ぐわけよ。球団はさらなる戦力補強を考えていただろうけど、オレはさほど動く気はなかった。そら、そうやろ。優勝したチームやで。大きくイジる必要はないやんか。足りない部分を補う。その程度でよかったし、ドラフトで鳥谷(敬)を獲得できたから、これが最大の補強やったわけ。

 ところが04年、監督1年目のシーズンを戦いながら、チームのこれからのことを頭に描いていたわ。もちろん優勝を目指して戦ったわけやし、目標はそこにあった。しかし、それと同時にオレは「先」を見ていたわ。仮に1年目、成績が伴わないとなっても、次のシーズンで勝てるチームを作る。その目線で選手を見ていた。

 そこで考えがまとまった。特に投手陣について、いよいよ力のある若手を登用するときがきた……と判断し、ベテランとの切り替えを断行すべき、と決断したわけよ。1年目はどうしても動かしにくいし、思い切ったことはできない。だから1年かけて、構想を練るわけよね。藤川球児や久保田(智之)を前面に押し出す。それに伴い、ベテランの処遇が問題になってくる。オレは非情になった。藪(恵壹)、伊良部(秀輝)の2人を戦力として見ることができないと判断し、球団にそう伝えた。そして2人の退団が決まった。さらに外国人選手も代えることになり、このシーズンオフ、6人の外国人選手の退団につながったのである。

 1年かけて見極め、新しいチーム作りのために補強を行い、勝つための改革を行った。それは間違いではなかったといまも思っているし、そのとおり、05年のリーグ優勝に結びついていった。オフの補強にまつわる話で、オレの中ではこのことが最も印象に残っているんよ。

 そういう意味では今オフ、セ・リーグの監督が3人代わった。巨人阪神DeNAの3球団だが、やはり大きな補強はやりづらい。ただ阪神は、想定外の出来事が起きて、慌てているようやな。クローザーの呉桓昇との契約打ち切りよ・・・

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岡田彰布のそらそうよ

岡田彰布のそらそうよ

選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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